c)近藤・槌田の発見した新しい事実

CO2増で温暖化したのではなく、温暖化したのでCO2増となったことを示す事実

■ 世界月平均気温偏差 と 大気中CO2濃度変化率 の散布図

 近藤らは、「世界の月平均気温平年差(℃)」と「大気中CO2濃度」のデータから、上に示す散布図を得た。
使用しているデータは、それぞれ公表されているものである。
世界の月平均気温平年差:
  気象庁 http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/temp/list/mon_wld.html
大気中CO2濃度:
  Keelingら 南極での大気中CO2濃度 http://cdiac.ornl.gov/ftp/trends/co2/sposio.co2

■ 散布図の回帰曲線

 散布図で点線で示した異常値の時期のデータを除き、回帰曲線を求めたところ、
y=2.39 x +1.47
であった。

■ 新しい事実

近藤・槌田は、観測された事実から、

  1. 世界平均気温が、大気中CO2濃度の増加速度を決めている。
  2. 世界平均気温が現在の平年値よりも0.6℃ほど低ければ、大気中CO2濃度は増加しなくなる。
ことを見出した。

■ 事実の理解のためのヒント

 地球温暖化CO2原因説「二酸化炭素ガス(CO2)が赤外線を地球外に逃がさない温室効果をもつために、増加した二酸化炭素によって地球が温暖化している」と信じ込まされている方々には、この新しい事実を信じられないかもしれません。しかし、この事実は、信じるかどうかという信仰の問題ではなく、一般公開されているデータの集計結果の事実です。まず、基礎データのサイトで、用いたデータの信憑性を確認してください。【気温データCO2濃度データ

 次に、地球上の炭素循環の研究成果(IPCC2007)を、気象庁のホームページで確認してください。そのページでは自然の炭素循環(黒い数字)と人為的な炭素循環(赤い数字)を恣意的に分けて、地球温暖化CO2原因説を説明していますが、ここでは現象を客観的に見るために黒い数字と赤い数字を加えた総移動量に着目しましょう。
  1. 人類が化石燃料を使用することによるCO2の放出に伴う炭素の移動量 年間64億トン
  2. 大気から地上の動植物などへ移動量 年間1200億トン
  3. 地上の動植物などから大気への移動量 年間1200億トン
  4. 大気から海洋への移動量 年間900億トン
  5. 海洋から大気への移動量 年間928億トン
 人類が化石燃料を使用することによるCO2の移動量①は、大気と動植物などの交換量③や大気と海水の交換量⑤に比べたら、約3%しかありません。①は③⑤の見積もり誤差の範囲といっても過言ではありません。

 では、それぞれはどのように見積もることができるでしょうか。
  1. 人類の化石燃料の使用量ですから、かなり正確に積算できますが、移動量全体の3%しかありません。
  2. 気温が高くなると、光合成が活発になりますから、気温の影響を受けます。
  3. 気温が高くなると、代謝や腐敗が活発になりますから、気温の影響を受けます。
  4. 大気中の二酸化炭素濃度に依存します。
  5. 気温が高くなると、海水温も高くなるので、移動量が増加します。
 ②③⑤という気温に影響をうける大きな二酸化炭素の移動量があることに気がつきます。 

 そのうえで、もう一度、気象庁のホームページをみてください。自然界の炭素循環(黒色)と人為的な炭素循環(赤色)を区別したうえで、なんの論拠も証明もなく「黒は自然の循環で収支がゼロ」と決め付けています。ここに間違いがあるのです。

【参照文献】

  1. 近藤邦明・槌田敦:「大気中のCO2濃度増は自然現象であった Ⅰ.その原因は気温高である」、
    日本気象学会「気象」投稿原稿(2008年4月投稿、9月改定、11月再改定)
  2. 槌田敦:「話題 原因は気温高、CO2濃度増は結果」、日本物理学会誌、Vol.65(4)、印刷中(2010年4月)
  3. 槌田敦:「『地球生態学』で暮らそう」、ほたる出版(2009)
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