2010年7月13日 原告槌田敦は、以下の報告を公表した。 控訴人(原告)は、控訴理由書を準備書面(1)(6月11日付)に全面的に差し替えた。被控訴人は、これに対する認否・反論として準備書面(1)(7月12日付)を提出した。 まず、控訴人は、地裁判決での「投稿者からみて科学的には異論が十分にあり得たとしても、拒否行為が相応の科学的根拠に基づく以上、不法行為は成立しない」としたことについて、これでは気象学会は主淀と意見を異にする論文を気象学会誌に載せなくてもよいことになる、と述べた。被控訴人はこれを争わなかった。 ついで、控訴人は、初審で論文の「誤読」を争点にしたが、判決では「誤読」について判断しなかった。これを判断していれば、 「拒否行為が相応の科学的根拠に基づく」とは言えないのだから、初審判断はあり得ないことになる。被控訴人はこれも争わなかった。 その他の争点の認否については、次号のふたつの裁判報告で詳しく述べることにする。 高裁は、原則として口頭弁論は1回だけという方針とのことで、この事件も、口頭弁論は7月12日の1回だけで終了ということになった。 そこで、控訴人側代理人により論点整理を述べる機会がほしいと求めたところ、 7月中に書面を提出することになった。また、控訴人は、酷似する論文が現れ、控訴人は極めて不利な立場なっているので、和解交渉に応じてほしいと求めた。被控訴人はこれを拒否した。酷似する論文を証拠にするためには、日本語訳が必要になる。
添付書類 控訴人準備書面(2)、被控訴人準備書面(1) |
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