「地球温暖化懐疑論批判」発行

2010/03/13 0:48 に 槌田博 が投稿   [ 2010/03/13 2:03 に Web編集 さんが更新しました ]
発行日不詳(2009年5月14日 叢書創刊にあたっての日付)

東京大学 サステイナビリティ学連携研究機構 地球持続研究イニシアティブ(IR3S/TIGS) から、
IR3S/TIGS 叢書 No.1 として、
この名誉毀損を行う 「地球温暖化懐疑論批判」 が発行された。

発行には、文部科学省科学技術振興調整費「戦略的研究拠点育成」事業の補助金が使われ、
無料で全国の研究教育機関に配布されたほか、希望者に無料で配布された。
現在は、無料配布は終了している。
しかし、現在も、東京大学IR3SのホームページでPDR文書を無料でダウンロードすることができる。

■ 名誉毀損の成立

被告東京大学は、「地球温暖化懐疑論批判」を発行し、その「はじめに」のところで、
  • 「懐疑的あるいは否定的な言説」をおこなう者として、原告槌田を筆頭に12名の名前を列記した。
  • 「懐疑的あるいは否定的な議論には、次のような特徴をもつものが多い」として、次の9項目+1項目=10項目の特徴を列記した。
  1. 既存の知見や観測データを誤解あるいは曲解している。
  2. すでに十分に考慮された事項を、考慮されていないと批判する。
  3. 多数の事例・根拠に基づいた議論に対して、少数の事例・根拠をもって否定する。
  4. 定量的評価が進んできている事項に対して、定性的にとどます言説を持ち出して否定する。(定性的要因の指摘自体はよいことではあるものの、その意義づけに無理がある。)
  5. 不確かさを含めた科学的理解が進んでいるにも関わらず、不確かさを強調する。
  6. 既存の知見を一方的に疑いながら、自分の立場の根拠に関しては同様な疑いを向けない。
  7. 問題となる現象の時間的および空間的なスケールを取り違えている。
  8. 温暖化対策に関する取り決めの内容などを理解していない。
  9. 三段論法の間違いなどロジックとして誤謬がある。
  10. これまでの科学の蓄積を無視しており、しばしば独断的な結論に読者を導いている。
 科学者失格または評論家失格を意味する10項目の特徴は、列記された12名に限らず、科学者や評論家であるなら誰であっても名誉感情が害され、看破し難い、程度の甚だ悪質な侵害行為であり、名誉感情侵害が成立する。

 本件は、科学者および評論家の名誉に関して強力な社会的影響力を保持する被告東京大学が、国費を使って、原告槌田を含む科学者および評論家を名指しして、誹謗、中傷、侮辱などの個人攻撃した公的事件である。

■ 被告らの不誠実な対応

 原告槌田敦は、本書「地球温暖化懐疑論批判」を入手して、当初は直接交渉により原告の科学者としての名誉を回復したいと願い、被告らに働きかけを試みた。しかし、被告らには、科学者および評論家の名誉を毀損したことの反省などまったくないことが示され、訴訟以外に解決の道がなくなった。
  • 原告槌田敦は、「地球温暖化懐疑論批判」に対して回答する権利と義務があると感じたので、被告らに回答書の印刷、配布を求めたが、被告らはこれを拒否した。
    被告東京大学が、個人を名指しして批判した本書を公費で出版し、無料で配布しておきながら、批判された個人には自費で出版せよという。「公平かつ公正の原則」をまったく無視している。

  • 原告槌田敦は、東京大学学長宛てに、次の3つの要請をしたが、いずれも返答がなかった。
    1. 名誉毀損の原因である9項目の特徴について、「どの項目が原告に対する批判なのか」という質問
    2. 本書で批判的に執筆した者は、1人を除き無署名なので、それぞれの話題ごとの執筆者氏名を明らかにすることの要請
    3. 名指しされた本人に、本書が送られていないので、送付するように要請。
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