解説 たんぽぽ舎メールマガジンから転載

2012/03/17 2:36 に ユーザー不明 が投稿   [ 2012/03/17 2:36 に Web編集 さんが更新しました ]
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 東大による名誉棄損並びに憲法違反裁判 明日香被告証人尋問傍聴記
   槌田敦さんの追及に対し、明日香教授、明確な回答せず
   二酸化炭素地球温暖化仮説を証明できず
                     たんぽぽ舎会員 近藤恭彦
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  去る2月14日火曜日に、東京大学IR3S裁判の傍聴に行って参りました。

 原告槌田敦氏が、代理人の弁護士を立てずに裁判を行いましたので、槌田敦氏の書いた陳述書に従って、前半は裁判長による原告槌田敦さんへの尋問、後半は、原告による被告明日香壽川の尋問でした。それぞれおよそ1時間半ずつの尋問でした。
 尋問のメイン、圧巻であった後半の原告槌田敦さんによる被告明日香壽川の尋問の部分についてレポートさせて戴きます。

 この問題となっている冊子『地球温暖化懐疑論批判』の元になったのは、明日香氏が私的レベルでネットに発表していた、『地球温暖化問題懐疑論へのコメントVer2.4』です。その内容を加筆修正して膨らました内容が『地球温暖化懐疑論批判』です。
 本書の記述には、一般の論文と違って、著者名が、明日香氏のみしか記されていません。その事に関して明日香氏は、表紙に記された10名の共著の形であると答えました。本当に10人で論議したかとの質問に、明日香氏は、大体みんなで議論して書いたと答えていましたが、実体は、『地球温暖化問題懐疑論へのコメントVer2.4』などの焼き直しに近いものがあり、事後承諾的なイメージがあります。

 『地球温暖化懐疑論批判』のはじめに記された9項目の特徴の批判に関して、槌田敦氏からの「自分はどの項目に当てはまるか?」の尋問に関しては、明日香氏は色々言っていましたが明確な回答は得られませんでした。特に『三段論法の誤謬』と糾弾された部分に関して、槌田氏が明日香氏にどこが三段論法の誤謬か具体的に尋ねたところ、明日香氏は意味不明な事を言ってお茶を濁していました。
 槌田氏及び裁判長から再度次回までにしっかり答えるかどうか回答を催促されて、しぶしぶ次の公判に間に合うように書いて提出する事を了承し、裁判官に提出期限を決められていました。
 弁護士を立てないで行われた槌田敦氏自身による尋問は、素人ゆえに危惧された部分ですが、相手の弁護士以上に雄弁で、マシンガンの如く次々に尋問を繰り出し、明日香壽川陣営はたじたじだったように感じました。

 槌田敦さんの、「このような書物を個人としてネット上で発表したり、民間の出版社から個人で出版する分にはとやかく言うつもりはないが、何故東大の名の元に出版したか」の質問に対し、明日香壽川氏は、「出版はどこからでも良かったが、丁度東大の住明正氏からから話があったので、東大から出版した。出版に当たって、個人攻撃だとは思わなかった。公共機関が出版する事に関しても、特にまずいとは思わなかった。」・・・ととぼけた発言に終始しました。
 槌田敦氏の歯切れのいい尋問で、中々見応えのある裁判の傍聴でした。国策の地球温暖化対策に物を申した槌田敦氏の裁判は、勝つには困難でしょうが、「間違った国策」に一石を投じた裁判です。

 裁判が終わった後、明日香氏が近くにいたので聴いてみました。
「二酸化炭素が温暖化の原因である証拠はあるのですか?」
「二酸化炭素には温室効果はあります。」
「それは分かっていますが二酸化炭素が主因だと言う証拠です。」
「それは、地球が証拠です・・。」
「実験結果を示せばいいのではないでしょうか?」
「それは無理です。地球全体の実験になってしまいます。」
 この後出しゃばりな余計な方に邪魔されたので、話を続ける事は出来ませんでしたが、二酸化炭素温暖化仮説推進派は、「地球でしか実験できないから、コンピュータシミュレーション以外では証拠を示せない」と言うスタンスであることを再認識いたしました。つまり、彼らは、自ら二酸化炭素温暖化仮説を証明出来ないと間接的に言っているように感じました。
 複雑系カオスの地球の気候を、二酸化炭素だけ取り出して実験しても無意味だと言う主張は分かりますが、それは裏返せば仮に地球が温暖化しているとしても、色々な要因の相互作用で、二酸化炭素を主因にする事の無意味さに繋がるのではないでしょうか? 

出典:たんぽぽ舎メールマガジン(No.1361. 2012年2月25日)より転載。

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